「日本酒」、いわゆる清酒は、米を原料にした醸造酒であり、平安時代の初期には、すでに現代とほぼ変わらない製法で作られていたと考えられています。そのため、料理にも古くから調味料として使われてきました。スーパーなどでは料理酒という名称で販売されているものを見かけると思いますが、それは酒税法の関係。一般的にスーパーで見かける料理酒は、酒税法の酒類に該当しないようにしているため、残念ながら飲むには値しいのがほとんどです。しかし料理に合うと考えるなら、どの日本酒を使っても良いのですから、飲める酒を料理に使うというのは、贅沢な気分にさせてくれます。
一方の「味醂(みりん)」は、調味料にも使われるアルコール飲料として分類されています。いわゆる「本みりん」は要するにビールなどと同じ扱いです。ですから、酒税法の酒類に該当しない「みりん風調味料」もあるのです。
上述のように、酒と味醂はいずれも酒系の調味料です。ですが、どちらか一つで代用できるというようなものではなく、例えば煮物などでは両方使うのが一般的です。酒は魚や肉の臭味をとり、風味良く旨みを加え、素材を柔らかくする効果がありますし、一方の味醂には、甘みがあって料理に「照り」を出します。また、どちらもアルコールが含まれていますが、通常は煮立たせたりすることで、アルコールは飛んでしまいます。
いずれにしても、料理によって、酒と味醂を使いこなすことが、和食においては料理上手になるための条件の一つと考えてもよいでしょう。
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